循環器内科

循環器内科では、全身に血液をめぐらせる心臓や血管の病気を専門的に診察します。
狭心症・心筋梗塞、不整脈、心臓弁膜症、心不全などの心臓の病気や、
動脈硬化症、動脈瘤などの血管の病気に幅広く対応します。
循環器疾患は原因となる高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙習慣などを総合的に管理しながら治療を行うことが大切です。
当院では循環器疾患の予防と早期発見、診断と治療、慢性期における再発防止など、
提携医療機関との充実した医療体制のもと行っております。
気軽に相談できる「循環器のかかりつけ医」としてお役に立てましたら幸いです。

◆症状と疾患

心臓や血管などの病気に関して
専門的な診療を行っております。

ひとつでもこのような症状や
お悩みがある方はご相談ください

  • 胸が痛い、苦しい、胸を締め付けられる感じがする。
  • 胸の圧迫感がある。
  • 夜間や早朝に胸が苦しくなる。
  • 夜、横になって寝ると息苦しい。
  • 動悸がする、息切れがする。
  • 脈が速い、脈が遅い、脈が乱れる、脈がとぶ。
  • 血圧が高く、薬を服用してもなかなか下がらない。
  • 足のむくみが気になる。
  • 健康診断で心電図異常を指摘された。
  • 高血圧や糖尿病、悪玉(LDL)コレステロールが
    高くて動脈硬化が心配。
  • 家族や血縁に心臓病の人がいて遺伝が心配。

日常的に起こりやすい症状でも、適切な検査を行うことで重大な病気の早期発見につながることもよくあります。
体調不良や健康に関して気になることがございましたら、何でもお気軽にご相談ください。

◆循環器の主な病気

  • 〇労作性狭心症

    心臓の冠動脈が動脈硬化などによって狭くなると、心筋(心臓壁を構成する筋肉)に送られる血液量が不足し、心筋が酸素不足となります。
    このときの痛みが狭心症の痛みです。
    労作性狭心症は「階段を上がると胸が締め付けられるように痛くなる」「重いものを持ち上げたり、坂道を歩いたりすると胸が苦しく痛む、安静にすると楽になる」という症状が見られます。痛みの特徴としては圧迫感や絞扼(こうやく)感などがあり、前胸部、みぞおち、肩、頸部などに生じます。歯やのどが痛むケースもあります。痛みは多くの場合、数分で消えます。

  • 〇安静時狭心症・冠攣縮性狭心症

    安静時狭心症は、夜、就眠中、明け方に胸が苦しく押さえつけられたような発作が起こります。
    多くの場合、冠動脈が一過性に痙攣をおこして収縮し、血流が一時的に途絶えるために生じると考えられています。冠攣縮性狭心症ともいいます。
    痛みの性質や部位などは労作性狭心症と同様です。冠動脈の攣縮(痙攣性の収縮)も、動脈硬化との関連性も示されていますが、喫煙、飲酒、ストレスなども原因として考えられます。このような症状がある場合、早めに検査を受けることが重要です。

  • 〇心筋梗塞

    心筋梗塞とは、動脈硬化が進行して冠動脈にできていたプラーク(血液中のコレステロールや脂肪からできた粥上の物質)が冠動脈を塞いでしまい、心筋に血液が完全に行かなくなり、心筋が壊死した状態をいいます。突然、胸が焼けるように重苦しくなり、締め付けられ押しつぶされるような症状が現れます。冷や汗が出たり、吐き気があったりすることもあります。
    このような場合は、緊急入院が必要のため救急車を呼んでください。
    心臓カテーテル治療が必須でありバルーンが先端についたカテーテル(細い管)を血管内に挿入し、詰まった部分を拡げたり、再閉塞を防ぐためにステント(筒状の金網)を血管内に留置したりするインターベンション治療があります。適切な初期対応を施すまでの時間に予後が大きく左右されます。

  • 〇不整脈

    不整脈には無害なものから生命を脅かすものまであります。最も一般的な不整脈としては、以下のものがあります。

    • 心房期外収縮
    • 心室期外収縮

    これらの不整脈は、どちらも通常は心疾患のない人でもみられ、無害なことが多いです。期外収縮自体は自覚できません。感じることができるのは、その後に続く正常な拍動で、通常よりわずかに遅いタイミングで、わずかに強い拍動が生じます。まるで心臓が拍動を1回飛ばしたかのように感じますが、実際にそうなったわけではありません。
    動悸を引き起こすその他の不整脈としては、以下のものがあります。

    • 発作性上室頻拍
    • 房室結節リエントリー性頻拍
    • 心房細動 または 心房粗動
    • 心室頻拍

    これらの不整脈では、心臓が正常時よりはるかに早く拍動します。
    心臓の拍動が遅くなる不整脈では、動悸が生じることはまれですが、なかには遅くなった心拍を感じる人もいます。

    一部の不整脈は、重篤な基礎疾患のない人でもしばしば発生します。それ以外の不整脈は重篤な心疾患や体の他の部分の病気によって発生する場合が多いです。
    重篤な心疾患としては、狭心症、急性冠症候群、先天性心疾患、心臓弁の病気、刺激伝導系の病気などがあります。

    心臓とは無関係な病気で不整脈を引き起こす可能性がある病気としては、以下のものがあります。

    • 甲状腺機能亢進症(甲状腺の活動が過剰になった状態)
    • 低酸素血症(血液中の酸素レベルが低くなった状態)
    • 低カリウム血症(血液中のカリウム濃度が低くなった状態)
    • 低マグネシウム血症(血液中のマグネシウム濃度が低くなった状態)
    • アルコールやカフェイン、ニコチン、一部の興奮剤といった特定の薬剤
  • 〇心臓弁膜症

    心臓弁膜症とは心臓にある弁に障害が起き、本来の機能や役割を果たせなくなった状態をいいます。大きく分けて、弁の開きが悪くなり血液の流れが妨げられる「狭窄」と、弁の閉じ方が不完全なために血流が逆流してしまう「閉鎖不全」があります。
    典型的な症状は、息切れ、胸の痛みや違和感、めまい、意識を失う、つかれやすいなどがありますが、心臓弁膜症に特有なものはありません。
    症状があっても加齢に伴う体の変化に似ていることから見逃されがちです。
    「健康診断などで心雑音が指摘された」「心エコー図検査で心臓弁の異常を指摘された」という場合には、早めに受診しましょう。

  • 〇心不全

    心臓は全身に血液を送り出すポンプの働きをしていますが、心筋梗塞や心臓弁膜症、心筋炎など様々な心臓の病気によって、このポンプの働きに障害が生じ、いろいろな症状を引き起こしている状態をいいます。
    「急性心不全」と「慢性心不全」に分けられ、急性心不全は短期間で激しい呼吸困難の症状が現れることから、重症の場合、命を失う危険性が高くなります。一方、慢性心不全は、ちょっとした動作でも動悸や息切れがしたり、疲れやすくなったりします。咳や痰が止まらない、むくみが出るといった症状が現れることもあります。
    慢性心不全は生活習慣病(高血圧症、高コレステロール血症、糖尿病など)との関連性が高く、高齢になるほど発症する方が増えてくる傾向があります。

  • 〇閉塞性動脈硬化症

    足の血管に起こる動脈硬化で、末梢動脈疾患とも呼ばれています。足に冷感やしびれ、歩行時に痛みを感じるという症状があり、重症化すると手足に潰瘍ができ壊死することもあります。特に50歳以上の男性に多い傾向があり、肥満・高血圧・糖尿病・喫煙などが原因と考えられています。
    閉塞性動脈硬化症を発症した場合には、下肢動脈だけでなく全身の血管も動脈硬化が進んでいる可能性が高いので注意が必要です。